「ダイエットに必要なのは炭水化物」元格闘技世界ランキング8位が教える、ボディメイクで大切なこと
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神奈川県、辻堂駅前のパーソナルジム「Fit Beleza(フィット・ベレーザ)」。そこでトレーナーをする大橋さんは、10年以上の格闘技の経験と、豊富な知識でさまざまなお客様の健康、ダイエット、ボディメイクを支えてきました。
大橋さんが考える「ボディメイクで大切なこと」とは何か。彼の答えには、ダイエット失敗者にこそ聞いてほしい目からウロコな考えがたくさん込められていました。
<大橋 誠 (おおはし・まこと)>
総合格闘技を19歳からはじめて、元修斗世界バンタム級8位まで登りつめるが、首のケガが原因で引退。現役時代からトレーナー業も行い、引退後NSCA-CPT、スポーツ障害指導員の資格を取得。競技力アップ、ボディメイク、健康増進と幅広いニーズに対応。
格闘家の減量は「リバウンドする」のが大前提
インタビュアー・トモロー
大橋トレーナー
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計量が済んだらなるべく体重を楽に戻して、コンディションよく試合に臨みたいですから。
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この減量法は、一般の方々が「やってはいけない」間違いだらけな方法です。実際、栄養バランスを無視して「とにかく食べない!」なんて、かなりカラダに悪いじゃないですか。この経験は、お客様に食事指導をするときにだいぶ生かされていると思います。
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あとは現役時代によく取り組んでいた、体幹系のトレーニングも中心に行います。高齢者の方は、転倒してケガをすることが非常に多いです。それで入院して動かなくなって、認知症が進行してしまったという話もよく耳にします。体幹が安定すれば、転倒リスクも減らせますからね。
ボディメイク重視でのお客様は、目標に向けて綿密に栄養バランスを計算し、お客様にとっての高負荷でトレーニングします。食事の場合は、特にPFCバランスを綿密に調整して、筋肉量を維持しつつ体脂肪を減らせる栄養バランスを探し当てるようにします。
ゴルフ、野球、バスケットボールのパフォーマンスを上げたいお客様は、その競技特性に特化した動きが改善できるトレーニングを選択しつつ、カラダの土台を支える筋肉を鍛えるようにしますね。
※PFCバランス
1日の総摂取カロリーのうち、カロリーのある3大栄養素(P=たんぱく質、F=脂質、C=炭水化物)から「どの栄養素をどれくらいの割合で摂取するか」を調整する食事法。
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そこではじめて、「ボディメイクのトレーニング」と「競技性に特化したトレーニング」が違うと知ったんです。
分かりやすい例でいくと、格闘技やアスリートって、筋肉が生み出せる力が「100」あるとすると、いかに素早くトップのパワーを発揮できるようにするかが大事なんです。もちろん、トレーニングでも0→100にパワーが到達できるスピードを速くする種目を行います。
一方ボディメイクのトレーニングは、0→100に到達するまでをゆっくり行い、筋肉への負荷を逃さないようにします。筋肉の成長には効果があるものの、競技性を考えるとパフォーマンスが下がる動きなんですよね。
こういうのを学ぶうちに、しっかりカラダの構造などをいちから勉強をしようと思い、現役引退後に資格を取りました。
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片腕がしびれて、腕立て伏せが1回もできなくなったんですよ。そこから1年間リハビリをして、今では問題なく動かせるんですけどね。
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自分の経験と学術的な知識を生かして、皆さんに「運動って楽しいよ、気持ちのいいものだよ」と教えてあげたいんですよね。
週2回トレーニングでFit Belezaに通っている、モデルのYuumiさん。トレーニング中も笑いが絶えませんでした。
「炭水化物で太る」から「炭水化物でやせる」へ
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・基礎代謝(寝ている間も消費するエネルギー)以下には絶対にしない
・基礎代謝+活動代謝(運動などで消費するエネルギー。体重60kgの一般男性で約200kcal)から消費カロリーを逆算する
この条件に合わせて、食事量とPFCバランスを調整します。これも一定ではなく、トレーニングした日は食事量を増やしたり、1週間の体組成データで「炭水化物を増やして脂質を減らす」などの微調整をしたり。そうやって、筋肉量が増えるバランスを探ります。
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大橋トレーナー
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そうすると、血糖値を下げるためにインスリンが分泌されるんですが、インスリン分泌→血糖値低下の過程で、脂肪合成が起こるんです。こうしたメカニズムを普段の食生活でなんとなく分かっているから、だから皆さん、「炭水化物= 太る」と勘違いしちゃうんですね。
※GI値(グリセミック指数)
食品ごとの血糖値の上昇度合いを間接的に表現する数値。白米やパンや70以上の高い数値で、そば、りんごなどは55以下で低い数値となる。
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炭水化物の摂取量が少ないと、足りないエネルギーを筋肉を分解→たんぱく質にして補おうとします。それを防ぐために、もっともオーソドックスなエネルギー源である炭水化物を食べて、そのエネルギーでしっかり運動することがとても大切です。
そうやって基礎代謝・活動代謝を増やしつつ、カロリー計算・食べる時間帯をコントロールしながら必要な炭水化物を摂取する。これを習慣化することで、「炭水化物を食べてカラダを動かして、しっかりやせる」という考えに切り替えていくんです。
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僕の目指す食事は「一生涯続けられるボディメイク」がテーマとしてあります。
仮に「体脂肪率を一桁でキープし続けたい!」というお客様にも、健康を害さない範囲で、目標に近い体型を手に入れるお手伝いをします。
炭水化物の大切さを教えてくれる、大橋トレーナー流ダイエット
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そうすると、計算通り体重を落とせるんです。
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そこに気づくと、普段の食事も全然ストレスにならない。そして週1回だけ食べられるラーメンやビールが、いっそう美味しく感じられます。
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9時に出社したら、お店のすぐそばにあるなか卯で海鮮丼を食べたかな。
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午後3時に小腹が空くので、プロテインやなか卯の海鮮丼の小盛りを食べます。
夕方にまたなか卯の海鮮丼の並盛を入れて、夜はオートミール、プロテインを飲みますね。
あ、あと自宅でご飯を食べるときや時間があるときは、きのこ類や乾燥わかめを汁物にして食べます。
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要は筋肉量の問題ですね。筋量が多ければ、歩くだけでも普通の人より多くのカロリーを消費できますから。
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格闘技という過酷な世界で、過度な減量とトレーニングでカラダを酷使し続けた大橋さん。その経験があるからこそ、彼は「健康」を大前提としたボディメイクをなにより大切にしています。
よく食べてよく動く。健康では当たり前に聞こえるこの言葉も、ダイエットとなると忘れがちかもしれません。ボディメイクで悩んでいる人は、一度この基本に立ち返ってみると、現状を打開するヒントが得られるかもしれません。