人体オタク・岡田トレーナーの目指す「身体に無理のないトレーニング」

2020.9.14

ボディメイクに欠かせない運動や食事は、生活のなかでごくあたり前に行っていることでもあります。そのため、なんとかく「こうすればいい」というイメージはわきますが、それが本当に正しいのか、よく分からないということも多いですよね。

世間一般には、浸透しているようで浸透していない「ボディメイクのための知識とノウハウ」。それを座学と実体験で追求し続けているのが、東京・用賀のパーソナルジム「TOTAL BODY PROGRAM」用賀店の岡田トレーナーです

いつまでも美しく健康でいるための、トレーニングの秘訣。それを岡田トレーナーに聞いてみました。

<岡田 良介(おかだ・りょうすけ>TOTAL BODY PROGRAMトレーナー。10代から極真空手、キックボクシングといった格闘技を経験。トレーナーの専門学校を卒業後、改めて別の学校に入り直し国家資格・柔道整復師を取得。ボディビルダーの選手でもある。昨年からピアノを習い始めている。

2つの専門学校を通じて柔道整復師の資格を取得

インタビュアー・トモロー

岡田さんは一度、トレーナーの専門学校に通っていたんですよね。そこからなぜ、別の専門学校に入り直したんですか?

岡田トレーナー

最初に通っていた学校は、トレーナー系の専門学校でした。もともと格闘技でプロを目指していたんですが、あるときから選手をサポートする道へ進みたいなと思って。

専門学校では、さまざまな知識を学びました。ですが卒業を間近にして、いわゆる「治療家」としての知識も学ぼうと考えました

インタビュアー・トモロー

すでにトレーナーとして、必要な知識や技能は身につけていたのに?

岡田トレーナー

私も当初は、それで十分だと思っていたんです。実際に在学中からフィットネスクラブで働き、最初の専門学校を卒業して20歳のとき、パーソナルトレーナーの活動をスタートさせましたしね。

しかしトレーナーの勉強をすればするほど、人体を深く知りたいという思いが強くなっていきました

トレーナーという職業は、極端なことを言うと手を上げれば誰でもなれます。しかし当時の私は、より解剖学的かつ生理学的に、お客様に最適なボディメイクを提案したいと考えるようになりました。

その知識を身につけるのに、医学的な内容を深く学べる国家資格の勉強は最適だったんですよね。

インタビュアー・トモロー

そうだったんですね。

岡田トレーナー

ボディビルを始めたのも、トレーナーを始めたのと同じタイミングです。私は元々細身の体型だったんですが、「知識だけでなく、増量・減量を自分自信も経験しよう」と思ったんですね。

当時60kg台だったところから、まずは100kgを体験しようと増量にチャレンジしました

インタビュアー・トモロー

100kg!?ものすごいチャレンジだ…。

岡田トレーナー

当時は96kgまで増量できましたが、とにかく食べようと頑張ったものの、チャレンジ途中で体調を崩してしまいましたね。単にハードな食事・トレーニングをするだけじゃダメなんだと思い知りました。

その時の経験とこれまで培った知識で、体重を増やしたい人や減らしたい人、痩せやすい人や太りやすい人に合わせた提案ができるようになったと思います。

店舗オーナーが感じた岡田トレーナーの魅力

インタビュアー・トモロー

実は今日、店舗のオーナーさんご夫婦もいらっしゃるんですよね。おふたりとの出会いも聞かせて下さい。

岡田トレーナー

2人は以前、私のお客様だったんですよ。オーナーとは約3年のお付き合いで、奥様とは5年以上前から今もセッションを担当させていただいております。

オーナー

岡田くんは僕の身体のクセをすぐ把握してくれて、コンディションの調整やトレーニングメニューの作成が、ものすごく迅速で的確だったのが印象的でした。

実際にこの3年で、ベンチプレスの重量が80kgから120kgまで伸びたんですよ。彼と出会ってから、健康や元気な身体の大切さを痛感しました

それからいろいろあって、パーソナルトレーニングジムを開くことになったとき、真っ先に彼に声をかけたんです。

オーナーの奥様

岡田くんにセッションを見てもらったとき「女性は40代になると、筋力や代謝の低下で下腹部〜下半身が太くなりやすくなります。だからその部分を意識して、今からトレーニングしていきましょう」とアトバイスしてもらって。

おかげで40代を過ぎた今も、スタイルを維持できています。栄養の知識も深いので、食事やサプリメントのことも詳しく教えてくれるんです

 

実は店舗ページでモデルをしてくれているのは、オーナーの奥さん。40代を過ぎてもスラリとしたスタイルが、岡田さんの指導力の高さを物語っていますよね

人体オタクトレーナー・岡田さんの思う「理想のトレーニング」

インタビュアー・トモロー

お店でのトレーニング指導では、どんなことを意識していますか?

岡田トレーナー

月並みですが、「身体に無理のないフォーム」を見つけてあげるようにしています。

トレーニングフォームについても、教科書にただ当てはめるだけでなく、体の硬さ・肩幅・腰幅・骨格・筋肉の付き方といったクセをしっかり見ますね

私もこの店舗とは別に、24時間ジムでもトレーニングをしています。周りのトレーニー(筋トレをする人)を見て、その人のクセや特徴を探すのが好きなんです。

インタビュアー・トモロー

普段からそういうことを考えているんですね(笑)。

岡田トレーナー

オーナーの指導でも、ベンチプレスで足幅を少し調整したり、身長に合わせてバーを持つ位置を変えたと工夫しました。そうやって、無理なくパフォーマンスを発揮できるフォームを作っていったんです。

インタビュアー・トモロー

「身体に無理のないフォーム」とありましたが、ストレッチやコンディショニングも意識していますか?

岡田トレーナー

そうですね。ただし「左右差がない身体をつくる」や「骨格の特性を捉えた、理想的な姿勢」など、完璧なコンディションを目指してはいません。

そもそも、そんなの無理ですから。

私たちは生活する以上、かならず身体のクセが生まれて、それが姿勢に影響を与えます。1回60分のセッションで、それを直すのに時間をかけすぎたら、今度はトレーニングの時間が減ってしまいますよね。

このジムのなかだけコンディションが完璧でも、意味がありません。トレーニングなど運動を交えつつ、日常生活でもなるべく高いパフォーマンスを出せる身体を作る。そこに注力してトレーニングをすることが多いです。

インタビュアー・トモロー

具体的に、どんなことをお客様に意識させますか?

岡田トレーナー

そこまで大それたことはしませんよ。右と左でちょっとバーの握り方を変えたり、握る力を変えてみたり。それだけで、トレーニング中の痛みが減ったり、扱える重量が増えたりします

繰り返しトレーニングして筋力がつけば、生活のなかの痛みや疲れも軽減されるでしょう。

もちろん、運動する上で無視できない身体の痛みが出ている場合は、しっかりケアもしていきます。「コンプレフロス」というチューブを使って専門的なケアもできるので、安心してください。

コンプレフロスは、身体に巻き付けて圧迫したうえで運動を行うことで、関節の可動域改善・身体の違和感緩和といった効果が期待できるアイテムです。

筆者も別の機会に巻いてもらったことがあるんですが、かなり肩が楽になりました。

40代でもスラリとした脚を。ポイントは「お尻が硬い人」向けのトレーニングにあった

インタビュアー・トモロー

ちょっと気になっていたんですが、岡田さんはオーナーの奥様のスタイル維持に、どんなトレーニングを選択しましたか?

岡田トレーナー

奥様に限らず、女性のお客様は「ももの前側に脂肪や筋肉がついてしまう」ことを嫌がります。結構このあたりの情報は、ネットやYouTube、雑誌などても目にしますよね。

私はこうしたお悩みに対して、スクワットの派生である「ブルガリアンスクワット」を行います

インタビュアー・トモロー

ブルガリアンスクワット。どんな効果を狙っているんでしょう?

岡田トレーナー

ブルガリアンスクワットは、お尻ともも裏を鍛えるのにいいトレーニングとして有名ですね。

しかし、多くのお客様はもも前の緊張が強くトレーニングの姿勢をとった時点で、ももが突っ張る感じを覚えてしまいます。

ブルガリアンスクワットは、両足を前後にして後ろの足を台座などに乗せます。このとき、もも前の筋肉である大腿四頭筋の1つ、大腿直筋という筋肉が特に緊張してしまう人、他にも中臀筋の弱さがある人が多いです。

前側にある筋肉が緊張すると、お尻に意識ができません。そうすると、狙った部位に刺激を与えることができないです。まずはもも前の緊張を解くために、姿勢を改善する必要があります。

インタビュアー・トモロー

具体的にはどうするんですか?

岡田トレーナー

お客様に多いのは、もも裏やお尻の筋肉が硬すぎるという状態です。ここが硬いと骨盤が後ろに傾いて、もも前の筋肉が緊張します。

逆に骨盤が前傾した状態を作れれば、大腿直筋や膝下にある脛骨粗面(けいこつそめん)という場所に余裕が生まれ、もも裏・お尻の筋肉をうまく使える状態をつくることができます。

もも裏・お尻が硬い人は、それに合わせて通常より前傾姿勢を作ってトレーニングを行うんです。その上で、股関節をしっかり動かしてもも裏・お尻の筋肉の伸縮を感じられるようにします。

インタビュアー・トモロー

僕もまさにもも裏・お尻が硬い人なんですが、実際にトレーニングを実践してみてもいいですか?

岡田トレーナー

もちろんです!ちょっとやってみましょう。

インタビュアー・トモロー

ハァ…ハァ…。

今までにない角度のトレーニングでした。でも「股関節とお尻を使う」っていう感覚が、かなり分かった気がします。

岡田トレーナー

よかったです。ちなみにトレーニング中は、ご指摘した以外でもいろんなことを見ています。

・反り腰になっていないか
・重心の位置
・あごの上げる角度
・重りの持ち方
・片足で体重を支えられているか
・目線ひとつ違うだけでも全く別のトレーニングになってしまう

ブルガリアンスクワットは下半身がメインのトレーニングですが、基本的に私たちの身体は、上半身と下半身が連動しています。

肩甲骨や肩周り〜首あたりにある、菱形筋や僧帽筋といった筋肉の連動。お腹の内部にかかっている圧(腹圧)の入り具合、全身にくまなく広がる筋膜の状態など。

人体は掘っていけばいくほど、いろんな要素が見つかってくるんです。それを探っていくのが、今でも本当に楽しいですね。

インタビュアー・トモロー

まさに「人体オタク」といった感じですね(笑)。岡田さんは今後、どんな指導を続けていきたいですか?

岡田トレーナー

大前提として、「僕がいなきゃできないトレーニングがあるなら意味がない」と思っています。店舗に来ないとトレーニングが成り立たない、食事管理ができないということは、ここでの時間がお客様の人生のためになっていないということです。

ちまたでは、健康に関する情報があふれています。そうした情報を前にしても、お客様が迷わないこと。

自分の生活リズムに落とし込んだ健康かつきれいに過ごせる知恵を、身につけていただく。そして早い段階で結果を残して、ジムを卒業していただく。それが僕のトレーナーとしての目標かなと思っています。

インタビュアー・トモロー

素敵な目標ですね。

岡田トレーナー

今やSNSを通じて、簡単に情報が手に入る時代です。にもかかわらず、お客様は自分の悩みにを解決するため、自己投資をしてジムに通ってくださいます。

それなのに、肝心な僕がYouTube・SNSを情報源に勉強するのは、おかしい話だと思いませんか?

もちろん、こういったネットの情報にも正しいものはあると思います。ですが、僕は書籍や論文など専門的な知識を通じて、「人体オタク」と呼ばれるくらいの勉強はしてきたし、これからも続けるつもりです。

そうやってお客様の悩みに寄り添い、一緒にトレーニングをすることでお客様の身体に変化があった時。お客様から心からの感謝の言葉をいただけると、やっぱり妥協せず勉強し続けてよかったなあと感じます。

気になった知識はどんどん吸収して、身体づくりに関する疑問はその身で体験する。岡田さんはそうやって、トレーナーとしてのスキルを磨き続けています。

オーナーであるご夫婦が、全幅の信頼を寄せる名トレーナー。40代を過ぎてもなお、きれいなスタイルを維持する奥様の姿が、何よりの指導力の証拠です、

筆者もその片鱗を少しだけ味わいましたが、翌日見事に筋肉痛になり、その実力を思い知りました(笑)。