マイス羽渕チーフトレーナー「有酸素運動だけじゃやせません」。筋トレがダイエットに必要な理由

2020.5.15

これからダイエットを始めるとき、多くの方がまずウォーキングやジョギングなど、有酸素運動から始めると思います。

「それは決して悪いことじゃないですが、ダイエットの効率はあまり良くないんですよ」。

そう語るのが、兵庫県西宮市のパーソナルトレーニングジム・マイス(MYS)のチーフトレーナー羽渕さん。

羽渕さんは武道&格闘技歴30年以上、トレーニング歴30年以上と、激しい運動をずっと続けてきたトレーナーです。マイスではウエイトトレーニング+キックボクシングトレーニングの2つで、ダイエット+スタイルのいいカラダを手に入れるお手伝いをしています。

キックボクシングという「有酸素運動」を取り入れているのに、それだけじゃ瘦せないと明言する羽渕さん。実際にマイスのトレーニングを体験しながら、その理由を教えてもらいました。

(インタビュアー:サトートモロー)

<⽻渕 茂(はぶち しげる)>武道&格闘技歴30年以上、トレーニング&運動歴30年以上と、長年様々な運動に取り組んできた。その経験と知識を活かし、単なるダイエットだけでなく、健康はもちろん、生活そのものを大切にしたトレーナー活動を10年以上継続。

ウエイトトレーニングがダイエットに欠かせない理由

インタビュアー・トモロー

今日はマイスのトレーニングを疑似体験しながら、お話を伺いたいと思います。羽渕さん、よろしくおねがいします!

羽渕トレーナー

よろしくお願いします。マイスではマンツーマンで行うベーシックなプランに、ご家族・ご友人の方と2人で行うペアプランも用意しています。

どちらの場合も、マイスはウエイトトレーニングだけではなく、キックボクシングによる有酸素運動も出来るので、よりダイエットを成功しやすい環境をご用意しています。

時間配分はご相談に応じて調整しますが、キックボクシングだけを行いたいというリクエストでも、必ずウエイトトレーニングの時間も入れていきましょう、とご提案しているんです

インタビュアー・トモロー

そうなんですね。キックボクシングのように、たくさん汗をかける有酸素運動をやりたいというお客様は、結構多いと思います。

なぜ必ずウエイトトレーニングも取り入れるんですか?

羽渕トレーナー

有酸素運動だけでは、ダイエットの効果が薄いからです。その理由は大きく2つあります。

理由(1)有酸素運動オンリーだと基礎代謝がおちる

羽渕トレーナー

マイスでは低糖質食事法も指導するため、有酸素運動だけでもダイエットは成功すると思います。カラダに蓄積された脂肪を、エネルギーとして燃焼出来るからです。

ですが、人間のカラダは「糖質が減ったから脂肪を燃焼させる」みたいに、シンプルな仕組みではないんですよ。

人間のカラダは、糖質、脂質、たんぱく質をエネルギー源として消費します。有酸素運動だけを続けると、筋肉を構成するたんぱく質ががんがんエネルギーにされてしまいます。

筋肉量が減れば基礎代謝が落ちるので、思うようなダイエット効果は得られないんです

インタビュアー・トモロー

なるほど。

羽渕トレーナー

極端な話をすると、とことん低糖質食事法+ローカロリーの食事に徹して有酸素運動だけをすれば、脂肪燃焼やダイエット効果があるんじゃない?という話になりますよね。

有酸素運動で消費するエネルギーを、食べなければいいんですから。

理由(2)ウエイトトレーニングは、効率よく筋肥大=基礎代謝アップが出来る

インタビュアー・トモロー

確かに。でも有酸素運動でも、運動不足の方なら少しは筋肉量が増えますよね。

羽渕トレーナー

そうですね。しかし「効率よくダイエットする」ことが、お客様にとってはいいじゃないですか。そこで私は、ウエイトトレーニングもやろうと伝えているんです。

理由は2つあります。

1つ目は、筋肥大(筋肉量を増やす)させて基礎代謝をアップした方が、普段の生活であまり運動等をしなくても、エネルギーを勝手に消費してくれるからです。

その方が楽でしょ(笑)。

2つ目は、有酸素運動だけではあまり筋肥大(筋肉量を増やす)しないので、有酸素運動自体でエネルギーを消費することになるからです。

有酸素だけのダイエットは、長時間の運動が必要です。これでは時間がもったいないでしょ(笑)。

インタビュアー・トモロー

ああ、たしかにそうですね。

羽渕トレーナー

ウエイトトレーニングをほとんどやらずに、ランニングだけをする人。
ボクシングやキックボクシングだけをしている人。

彼らを見れば分かると思うんですけど、彼らは長い時間の運動をしていても、それほど筋肉質ではないですよね!

私は約10年間、中国武術(中国拳法)をやっていました。中腰くらいの姿勢で、ずっと立っている鍛錬法(站椿・たんとう)というものがあります。

これを毎日15~30分位やるんですが、結構きついし時間も使います。

ですが、站椿をやり続けても筋肥大にはつながらないんですね。

たとえば腕立て伏せの姿勢になって、腕を少しだけ曲げた状態のまま30秒間耐えてみましょう。

インタビュアー・トモロー

これは…普通にきついです(笑)

羽渕トレーナー

今のトレーニングと、胸と腕を鍛えるベンチプレスという種目では、どちらが筋肥大により効果があるでしょう?

インタビュアー・トモロー

どうでしょう。ベンチプレスのほうが、筋肥大するのかな…?

羽渕トレーナー

正解です!

筋肉を鍛えるのには、筋肉を出来るだけ縮めて、出来るだけ伸ばす(最大収縮と最大伸張)ことが、一番効率がいいです

筋肉に負荷をかけて、筋肉が収縮と伸張する運動をした場合には、効率よく筋肉(筋繊維)がキズつけられます。

キズつけられた筋肉(筋繊維)が回復する際、元の筋肉(筋繊維)よりも成長させようとする性質を持ちます。

これを「超回復」といいます。これを繰り返すことで、筋肥大(筋肉量を増やす)ができるんですね。

この理論に基づくと、有酸素運動よりも筋肉の収縮と伸張が出来るウエイトトレーニングの方が、筋肥大=基礎代謝アップに効果的で、ダイエットに向いているんです。

だから同じ60分の運動をするのなら「必ずウエイトトレーニングの時間を取りましょう」と私はアドバイスをしているんですね。

インタビュアー・トモロー

なるほど。だから羽渕トレーナーは、ダイエットを指導する際、筋トレ(ウエイトトレーニング)を重要視されているんですね。

それがダイエットの成功率を高めているんだ。

ポイントを押さえたウエイトトレーニングでしっかり追い込む

羽渕トレーナー

堅苦しい話はここまでにして、ちょっと軽く運動してみましょうか!マイスのウエイトトレーニング+キックボクシングトレーニングを、ぜひ体験してみてください。

インタビュアー・トモロー

よろしくおねがいします!

(1)ベンチプレス

羽渕トレーナー

まずはウエイトトレーニングを2種類やっていただきます。 

最初の種目は、オーソドックスな胸を鍛えるトレーニング、ベンチプレスです。胸、二の腕を鍛える種目ですね。 

トモローさんは色々なジムでトレーニングを経験していると思いますが、念の為ケガをしないためのポイントを解説しますね。

(1)バーベルが真上に見える目線の位置に、身体をベンチの上に置きます。

(2)バーの左右にある線に、中指を乗せます(幅は個人差があります)。

(3)5ポイントコンタクト・・・後頭部、上背部と肩、下背部とおしり、右足、左足の5点で、カラダをしっかり支えるようにします。

(4)バーは手のひらの上部分ではなく、親指のつけね(拇指球)に近いところで持ちます。手首を45度位に曲げて、しっかりと安定させることが大事です。

(5)バーは胸のほぼ乳頭の位置に触れるまで下し、そこから真っ直ぐ上に肘が伸びるまでバーを上げて下さい。目線の位置でバーを上げ下げすると、肩に負荷がかかり、肝心の胸があまり鍛えられません。ケガの原因にもなりますので、注意して下さい。 

こんな感じでやっていきましょう!

インタビュアー・トモロー

わかりやすい。早速やってみます!

インタビュアー・トモロー

疲れたあ!(笑)。でも教えられたポイントを意識したら、かなりやりやすかったです。

ウォームアップの本質

インタビュアー・トモロー

そういえば、マイスはトレーニング前のストレッチとか、どのように行うんですか?

羽渕トレーナー

行いません。というと語弊がありますね。みなさんがイメージする「運動前のストレッチ」ではなく、「ウォームアップ」を行います。 

準備運動で大事なことは、これから行う動作(運動)と同じ動作(運動)もしくは、それに近い動作(運動)を段階的に行うことによって、活動させる筋肉の筋温と身体全体の体温を上昇させて、身体の可動域をアップさせること(身体的準備)です。

それによって気持ちをその動作(運動)に向かわせること(精神的準備)です。その結果、パフォーマンスの効果を高め、ケガの防止にもなる。

これが「ウォームアップ」の本質です。

ベンチプレスだったら、フォームをきちんと確認出来る重量ではじめ、徐々に重量を段階的に上げきます。

これによってカラダをベンチプレスの動作に慣らし、筋温と身体全体を温めていきます。 

よく筋トレの回数の目安で、「10回×3セット」というのを聞くじゃないですか。

私の場合、ウォームアップも合わせると、回数を上手く調整しながら、1種目で5〜6セットやることも少なくありません。

インタビュアー・トモロー

ウォームアップも踏まえたセット数なんですね。

(2)ラットプルダウン

羽渕トレーナー

次は背中の上部を鍛えるラットプルダウンをしましょう。まずポイントを説明しますね。

(1)バーの曲がっている部分に中指をのせます(幅は個人差があります)。

(2)握り方は先程の「ベンチプレス」の時と違って、親指を握り込まず、人差し指の横に「ひっかける」ようにそえます。これを「サムレスグリップ」と言います。

なぜこのような握り方をするかと言うと、バーを握りしめると前腕や上腕三頭筋に、力が入ってしまい、背中を鍛えるより先に腕が疲れてしまうんです。

背中に十分な負荷がかけられなくなり、背中を効果的に鍛えることができなくなります。力を入れずに、「ひっかけて、固定する」ようなイメージで握りましょう。

(3)太ももをパッドの下に置いて、両足の裏を床に付けます。

(4)バーが顔の前を通過する軌道を確保するため、上体を少し後ろに傾けます。

(5)肘は完全に伸展(伸ばす)して下さい。

(6)初心者の場合は、肩が上がって腕を伸ばした状態のまま、まず腕を曲げずに、肩甲骨を寄せながら少し肩だけを引きます。

次に胸を張って、腕を曲げながら肩甲骨をさらに寄せていきます。その時のイメージは、腕を曲げて引っ張るのではなく、肘を後ろ(背中側)に引いていくような感じにして下さい。

(7)バーは鎖骨か胸上部に付くまで引いて、戻す時は肘をゆっくり伸展(伸ばす)して、開始姿勢にして下さい。

 こんな感じです。ではやってみましょう!

インタビュアー・トモロー

動きはシンプルですが、やってみると大変ですね。

羽渕トレーナー

背中を意識して動かすのは、けっこう難しいんですよ!

うまくできると、肩甲骨周りだけではなく、脇の下から脇腹あたりまで広がる、広背筋という筋肉を使っている感覚が得られますよ。

脂肪燃焼を加速+ストレス発散になるキックボクシングトレーニング

羽渕トレーナー

このようにウエイトトレーニングをして、次にキックボクシングトレーニングを行います! 

インタビュアー・トモロー

ウエイトトレーニング→キックボクシングトレーニングの順番にするのはなぜですか?

羽渕トレーナー

筋トレをすると体内のエネルギー(糖質等)を消費します。

この糖質等が体内に少ない状態で、有酸素運動をすると今度は脂肪をエネルギーとして消費します。

つまり、体内の脂肪がエネルギーとして使われやすくなるんです。

 また、筋トレをすると「成長ホルモン」が分泌されます。この成長ホルモンが分泌された状態で、有酸素運動を行うとさらに脂肪燃焼が期待できます

だから私は、筋トレ+有酸素運動の組み合わせをおすすめします。

インタビュアー・トモロー

なるほど。

羽渕トレーナー

筋肉を回復させ成長させるには、栄養と休息が必要になります。

この回復には酸素が必要ですが、有酸素運動で全身を動かすと、血流が良くなり、酸素が全身に行き渡りやすくなります。 

筋肉の成長と脂肪燃焼。筋トレ後の有酸素運動という組み合わせを活用することで、ダイエット効果が大幅にアップするんです。

心肺機能も高まり循環器系の改善にもつながるので、健康にもいいですしね。

インタビュアー・トモロー

なるほど。キックボクシングでは、どんな点に意識して指導するんですか?

羽渕トレーナー

一般的にキックボクシングジムでは、ミット打ちなどの細かいテクニックを教えがちです。

マイスでは細かいテクニックは重視せず、楽しく全身運動をして、ダイエット出来ることを最優先にします。 

ガチガチに力を込めて、息が出来ないくらい本気でパンチやキックをすると、有酸素運動ではなく、無酸素運動になってしまいます。

これじゃただしんどいだけです。 

目安としては、自分の全力の6割くらい。足の動きを止めず、軽くフットワークしながら、パンチやキックをリズムよく打つように指導します。

インタビュアー・トモロー

そういえば、ミットもボクシングの練習で見るものより大きいですよね。

羽渕トレーナー

もっと小さいサイズの「パンチングミット」もあるんですよ。

でもミットが小さいと、初心者の方は「ちゃんと(パンチを)当てなきゃ」と必死になって、足が止まっちゃうんですよね。

あと力んであまり強いパンチを打つと、パンチがミットに当たった時、手首をねんざして、ケガする危険もあります。 

・リズムよくフットワーク

・自分のペースでワンツーやフックを打っていく

・疲れたらパンチをとめて、その場でステップ

・全力で動かず、6割程度で動く

 これをお客様ごとに時間配分して、繰り返します。ではさっそくやっていきましょう!

全身を大きく動かせるキックで、さらに運動効果をアップ

インタビュアー・トモロー

はあ、はあ…。これは疲れますね、でも楽しい。

羽渕トレーナー

楽しいでしょ?ミットを叩くだけで、結構ストレス発散になると思います。今度はキックもしてみましょうか。靴を脱いで裸足になりましょう。

インタビュアー・トモロー

キックのコツはありますか?

羽渕トレーナー

これも、あくまでダイエット目的だということを忘れないでください。

気を付けるポイントはパンチと同じです。利き足とかは気にせず、カラダを大きく動かしてミットにキックします。 

キックをする動作によって股関節もフルに動かせるので、パンチよりも下半身への効果が期待出来ます。

単なテクニックやポイントは動きながら伝えるので、安心してください。

 〜数分後〜

インタビュアー・トモロー

ひぃ、ひぃ。こ、これ、パンチだけよりかなり疲れます!

羽渕トレーナー

パンチ以上に、全身を大きく使いますからね。私がボクシングよりキックボクシングのトレーニングを選んだのも、全身運動の要素が大きいからです。 

少し蹴ることにも慣れてきたので、連続してミットを蹴ってみましょうか。私が回数を言うので、それに合わせて蹴ってみてください。

インタビュアー・トモロー

はい!

インタビュアー・トモロー

はあ、はあ…。疲、疲れた!でも普段できない動きが新鮮で、とても楽しかったです。

羽渕トレーナー

はい!お疲れ様でした。通常はフットワーク+パンチ+キックで、20分〜30分をやっていくことになります。 

トモローさんがおっしゃるように、ミットを打ったり蹴ったりするのは楽しいでしょう?

ダイエット中の天敵の一つは「ストレス」なんです。頑張って痩せようとするストレスが、かえって太る原因になってしまう場合があります。

その点、キックボクシングは有酸素運動をしながら、ストレス発散にもなるんですよ。

余計なテクニックとかあまり気にせず、楽しく運動をして、ダイエットしていきましょう!

編集後記

長年のキャリアに加えて、理論的なポイントも網羅している羽渕トレーナー。ウエイトトレーニングもキックボクシングも、「この人に任せれば大丈夫!」という安心感のなかで取り組めました。 

ウエイトトレーニングとキックボクシングのバランスは、お客様のご希望で調整できます。経験も知識も豊富な羽渕トレーナーに、効果の高いダイエットを提供してほしい皆さん。

ぜひマイスの店舗ページをチェックしてみてください!